Hobby Lab 趣味のモノ作り実験のサイトです。
部品 オペアンプ_関係 BandPassFilter
1. バンドパスフィルター
1.1 方式
1.2 入出力仕様
1.3 回路図
1.4 計算と特性測定
1.5 Qが高くなるとどうなる
2. テスト状況

Pr:OPAMP オペアンプ関係
PrO:送受信機  Si4735について
 Si4735ラジオを作って見よう1
 Si4735ラジオを作って見よう2
 Si4735テスト中に判ったこと1
PrO:オペアンプ  オペアンプ全般
 バンドパスフィルター
 LM324
 LM358
Pr:Wire 電線関係
Pr:Resistance 抵抗
Pr:Capacitor コンデンサ
Pr:Coil コイル
Pr:PassiveElmt 受動素子
Pr:Diode ダイオード関係
Pr:Tr トランジスタ関係
2SC1815
 リレードライバー設計
 アンプ設計
 発振器
TLP152
 TLP152テスト
TLP2361
 TLP2361テスト
TLP5754
 TLP5754テスト
Pr:Source 電源関係  ツェナーダイオード
 TL431
 LM317
PrS:Downモジュール
 EGS002_IR2110S
 SKU011012
 ACDC02
 XH_M299
 LM2596
 Mini360_MP23070N
 DROK
 WH140
PrS:UPモジュール
 MT3608
PrS:充電モジュール
 TP4056
Pr:Sensor_AD_時計等
PrS:電圧、電流
ADS1115 16bit4CH I2C A/D
 Hardware
 RaspberryPi_コマンド接続
 RaspberryPi_Python
 Arduino
 CH23V203 MounRiverStudioⅡ
INA226 I2C 直流電圧電流
 Hardware
 Arduino
 RaspberryPi_Python
WCS 電流ホール素子
 Hardware
PrS:温度、気圧、湿度、照度
BNE280 I2C 気圧,湿度,気温
 Hardware
 Arduino
 RaspberryPi_Python
BH1750 I2C 照度
 Hardware
 Arduino
 RaspberryPi_Python
DS18B20 1-Wire 温度計
 Hardware
 Arduino
 RaspberryPi_Python
PrS:時間、日時
DS3231 I2C 時計
 Hardware
 Arduino
 RaspberryPi_Python
PrS:表示器
MAR3953 320X480 3.95"
 概要と線や点を描く
 フォントを描く
SSD1306 I2C 0.96"OLED
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 RaspberryPi_Python
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PrP:プロセッサ
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 arduino動作比較
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  PWR 電力制御
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  BKP バックアップレジスタ
  CRC 巡回冗長検査
  RTC リアルタイムクロック
  GPIO GPIOと代替機能
  DMA ダイレクトメモリアクセス制御
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  GPTM 汎用タイマー
  BCTM 基本タイマー
  USART 同期非同期通信
arduino関係
 ESP12関係
 (a)ESP-8266D1mini注意
PrP:Memory  24C128(16kB)
PrP:その他  RS485ドライバー
 CP2102 BRIDGE
 WCH-LinkEエミュレーター

1. バンドパスフィルター

1.1 方式

CWのディコーダを作成するため、オーディオ信号からMCUのA/Dへ入力するためのバンドパスフィルターアンプを製作してみる。
CWの受信音の周波数帯域は 600Hz〜800Hz付近のため、設計では700Hzとする。
バンドパスフィルターの方式は多重帰還型BPF(バンドパスフィルタ)を使用します。
多重帰還型BPF(バンドパスフィルタ)はオペアンプを用いたアクティブフィルタの一種であり、特定の周波数帯域だけを通過させ、それ以外の周波数を遮断する回路です。
英語では MFB(Multiple Feedback) と呼ばれ、非常によく使われる代表的な方式です。
メリット
部品数が少なく、簡単に作れる:オペアンプ1個に対して、抵抗3個、コンデンサ2個の最小限の構成(2次フィルタの場合)で設計できます。
直流(DC)カットが容易:回路の構造上、入力側にコンデンサが入るため、前段の直流成分を遮断して次のステージへ縦続接続(カスケード接続)しやすいメリットがあります。
高域特性が安定している:サレンキー型BPFと比較して、オペアンプの性能限界(高周波でのインピーダンス上昇など)による高周波域での漏れ(特性悪化)が少ないとされています。

デメリット
高いQ値(鋭さ)を設定しにくい:Q値(フィルタの選択度・シャープさ)を高くしすぎると、素子のバラつきに非常に敏感になり、回路の動作が不安定になります。
一般的にQ値は10〜20程度、高くても100未満の実用範囲で使用されます。
反転増幅が基本:オペアンプの反転入力(マイナス端子)に信号を入力する構成のため、通過帯域での出力信号の位相が反転します。

他のバンドパスとの比較
回路に求める「鋭さ(Q値)」や「音質・ノイズ性能(S/N比)」によって、他の方式と使い分けられます。

フィルタ方式構成の難易度
(部品数)
選択度
(Q値)の限界
主な特徴・用途
多重帰還型低い
(極小)
〜100程度
(実用は20以下)
簡単に作れる。一般的なセンサ信号処理や音声処理に最適。
サレンキー型低い〜数十程度非反転増幅が可能。高域で信号が漏れやすい弱点がある
バイカッド型高い
(オペアンプ3〜4個)
数百まで可能ゲインや周波数を独立して精密調整できるが、高周波には不向き。
状態変数型 /
フリーゲ型
高い
(オペアンプ複数)
数百まで可能非常に安定して鋭い特性を作れるが、回路が複雑。

1.2 入出力仕様

今回の回路の入力電圧は P-Pで 600 (mV)
Si4735 で SSB 7MHz の CW 信号を オーディオ出力で測定した結果

MCUの電源電圧は3V
3 / 0.6 = 5
アンプのゲインは最大 5倍あれば良い事になる。
2〜10倍のゲイン調整ができるものを作成する。

1.3 回路図

回路図の左側のオペアンプは増幅用で、右が多重帰還型のバンドパスフィルターです。

今回の電源電圧は3.1(V)、またMCUのA/Dに接続するためオペアンプはTVL9062を使用します。
TLV9062(TVL9062は入力ミスとみられます)は、テキサス・インスツルメンツ(Texas Instruments)社製の低電圧・高性能デュアルオペアンプです。
広い帯域幅と低消費電力を両立しており、コスト重視の電子回路設計で非常に広く採用されています。
主な技術仕様と用途は以下の通りです。
チャンネル数: 2(デュアル回路構成)
帯域幅: 10 MHz(単利得帯域幅)
動作電圧: 1.8V 〜 5.5V の低電圧駆動に対応
入出力特性: Rail-to-Rail入力/出力 (RRIO) に対応し、ダイナミックレンジを最大限に活用可能
静止電流: 1チャンネルあたり標準 538 µA と低消費電力(バッテリー駆動機器に最適)
入力オフセット電圧: 標準 ±0.3 mV と非常に低歪み
ノイズ特性: 10 nV/√Hz(ブロードバンドノイズ)
安定性: ゲイン1(ユニティゲイン)で安定動作し、RFI(無線周波数干渉)およびEMI(電磁波干渉)除去フィルターを内蔵

1.4 計算と特性測定

計算式  C = C3 = C4 ( C = 10 / fo (uF)が目安で決定 )
 

計算値及び測定値
設計時のQ102030
計算値C3,C4(uF)0.1 0.1 0.1
R7 (kΩ)204768
R8 (Ω)1205633
R9 (kΩ)39120150
Q9.023.233.7
fo (Hz)738614716
A0.981.281.10
測定値fo (Hz) 628 663 710 658 678 716 653 668 689
A(dB)18.621.418.6 18.420.918.314.217.014.4
※計算値のA はバンドパスフィルター(回路のUBB)の増幅倍率
測定値の A はアンプを含めた信号比率(dB)です。

バンドパスフィルターの特性
目標 Q102030
中心 周波数663 678 668
利得 21.4 20.9 17.0
-3dB 利得 18.4 17.9 14.0
低域周波数 625.5654.0651.9
高域周波数 713.4721.9692.2
帯域幅 87.9 67.9 40.3
測定による Q7.54 9.99 16.58

目標Q=10のボード線図Si4735で7MHz CW受信波形

入出力は波形が重ならないようアンプの増幅を変更した。 増幅率は約5倍

目標Q=20のボード線図Si4735で7MHz CW受信波形 A部時間軸拡大

Qが大きくなると切れが悪い(残像が長い)。
Q=10 14.2(ms) Q=20 23.8(ms) Q=30 33.4(ms)

目標Q=30のボード線図0 Si4735で7MHz CW受信波形 B部時間軸拡大
入力信号に重なった他の信号に対するCW信号を測定した。 やはりQの高い方が、良い。
入力 300/297 = 1.01  Q=10 1370/540 = 2.54
Q=20 1500/475 = 3.16  Q=30 1500/383 = 3.92

1.5 Qが高くなるとどうなる

Qが大きいとなぜ切れが悪くなるのかAIに聞いて見た。

1. 「Q値が大きい」とはどういう状態か?
Q値(Quality Factor)は、一言でいうと「エネルギーの蓄えやすさ(損失の少なさ)」を表す指標です。
(1)Q値が小さい(帯域が広い):
内部の抵抗などでエネルギーがすぐに消費されるため、入力がなくなるとすぐに出力が止まります。

(2)Q値が大きい(帯域が狭い):
回路が特定の周波数に強く「共振」します。 コンデンサと抵抗の間でエネルギーが効率よく往復し、外に逃げにくいため、一度蓄えられたエネルギーがなかなか減りません。

2. 残像が長くなるメカニズム(時間領域での動き)
フィルタに入力信号が加わると、オペアンプ回路内のコンデンサにエネルギーが蓄えられます。 ここで入力を 急に「ゼロ」にした(信号を切った)瞬間を考えます。
(1)入力が断たれても、回路(コンデンサやオペアンプの帰還ループ)の中には直前まで共振していたエネルギーが残っています。 (2)Q値が大きい回路は、このエネルギーを消費(減衰)させる力が弱いため、自分自身の力でしばらく振動を続けます(これを自由振動やリンギングと呼びます)。 (3)この「自走している振動」が、出力に「残像(じわじわ減衰する波形)」として現れます。

3. 数学的な関係(周波数領域と時間領域のトレードオフ)
フィルタの世界には、「周波数の切れ味を鋭くすると、時間の切れ味が悪くなる」という絶対的なトレードオフがあります。
周波数軸:
Q値を大きくすると、特定の周波数だけを急峻(シャープ)に通過させることができます。
時間軸:
急峻にするということは、数式上「時間応答の減衰時定数(τ)」が長くなることを意味します。 具体的には、応答が減衰する時間は Q / f0 (f0)は中心周波数)に比例します。
つまり、Q値を2倍にすれば、信号が消えるまでの残像の時間(時間的な引きずり)も2倍長くなります。





2 テスト状況

  




































更新日 2026/09/20 20:59  管理者 平林 剛Hirabayashi Takeshi