1.オペアンプのそのままの特性
(1)概略端子説明
| オペアンプは入力には-と+の2つの端子と1個の出力端子が有り、電源は±の電源端子がある。 手持ちのICではオペアンプが2個や4個入った物が有ります。 |
|
|
|||||||||
| オペアンプの入出力端子 右図のINに入力信号を入れると、OUT端子に出力される。 入力された信号の増幅率はLM324データシートでは電圧利得が100dB(100,000倍)となっている。 差動入力(-又は+と記載されている端子)の片方をグランド(0V電位)にして片方に信号を入力すると |
![]() |
| -側に入力した正の電圧信号の場合は、-電源電圧に近い電圧で飽和した信号が出力される。 +側に入力した正の電圧信号の場合は、+電源電圧に近い電圧で飽和した信号が出力される。 飽和してしまう理由はこのアンプの増幅率が無限大に近いからで、例えば簡単に説明すると、オペアンプの電源電圧が20(V)の場合、20/100,000 = 0.2(mV) 以上を入力すると出力電圧は電源電圧と同じとなり出力信号それ以上大きくならないので、出力信号は飽和してしまいます。 次に上記±端子に接続する2ケースの出力信号波形を確認しましょう。 |
(2)各入力端子に信号を入れ出力信号を確認する
下表に示す2ケースについて端子に信号を接続し出力を確認した
|
| オペアンプの+端子に被比較信号として交流信号0~3(V)、-端子に基準信号として直流電圧2(V)を入力した時の出力信号の確認 |
![]() 信号とオシロ信号
|
結果オシロ波形![]() |
|
SG INの電圧がDC INより大きくなった事で、OUTPUTの出力電圧がLo⇒Hiに変化しています。 また、次にSG INの電圧がDC INより小さくなると出力電圧はHi⇒Loに変化します。 オシロ波形の解説 トリガーを黄色線の電圧1.5V以上でかけているため T記号の位置から 水色の比較信号2.0Vを黄色線がよぎる位置までの時間を計算すると SG iINの1.5Vの変化点は角度言えば、0度と180度になります。 SG INの電圧が2Vになるのが、アークサイン(0.333)≒19.47度、160.53度になり、 1kHzの信号で、この度数の時間は≒54μs、446μsです。 なお実際に比較された信号はオシロ波形でも判るようにOUTPUTで変化する信号になるまである程度遅れます。 遅れについてはここでは説明を省きたいと思います。 |
| Test1-2aは | +端子に信号を入力し比較された出力信号は同じ極性で出力されていました。 つまり入力に対し出力は非反転信号になります。 |
b.test1-2b
| オペアンプの-端子に被比較信号として交流信号0~3(V)、+端子に基準信号として直流電圧2(V)を入力した時の出力信号の確認 |
![]() 信号とオシロ信号
|
結果オシロ波形![]() |
| SG INの電圧がDC INより大きくなった事で、OUTPUTの出力電圧がHI⇒Loに変化しています。 また、次にSG INの電圧がDC INより小さくなると出力電圧はLo⇒Hiに変化します。 オシロ波形の解説 トリガーを黄色線の電圧1.5V以上でかけているため T記号の位置から 水色の比較信号2.0Vを黄色線がよぎる位置までの時間を計算すると、その値は≒54μs、446μsです。(計算方法はTest1-1aを確認下さい。 なお実際に比較された信号はオシロ波形でも判るようにOUTPUTで変化する信号になるまである程度遅れます。 ここには詳細データを表示しませんが、 出力がHiの状態からLoへ変化し始めまでに≒7μs Loになるまでに28μsかかっています。 |
| Test1-2bは | -端子に信号を入力し比較された出力信号は反対の極性で出力されていました。 つまり入力に対し出力は反転信号になります。 |
2.入出力インピーダンスの確認
| 今回確認したオペアンプはLM358です. オペアンプの特性を安定して確認するため、出力信号を入力信号へ帰還している。 また帰還についても出力を入力の-側端子に接続し負帰還として倍率1とした「ボルテージフォロワ」回路で測定する。 この「ボルテージフォロワ」回路の説明は「3.(0)~(1)a項」で実施する。 |
(1)入力インピーダンス
右図の回路のRは抵抗計で入力インピーダンスを確認した。結果 R 54.44(MΩ) ほとんど∞と言うことが判った。 V 0.7569(V) 電源電圧 12(V) 室温25.8℃ 湿度42% 抵抗計 OWON 35B 電圧計 OWON XDM1041 入力が∞では都合が悪く通常は幾らかの抵抗を入れる。 詳細は「4項の(2)入力インピーダンスの注意点」を参照 |
(2)出力インピーダンス
右図の回路のiPは電流電源でオペアンプの出力に対して電流を受け(i1)たり送っ(i2)たりする装置で YOKOGAWA CA100を使用している。結果 平均 0.0865(Ω) ※1参照 確認値は表参照 電源電圧 12(V) IN電圧 5(V) 室温25.8℃ 湿度42% 電圧計 OWON XDM1041 電流計 YOKOGAWA CA100 |
※1 LM358データシートの「Open-loop output resistance」によれば 300(Ω)と記載されている。今回の回路は負帰還をさせた回路で測定しているため非常に低い出力インピーダンスとなっている。
|
Zの求め方![]() |
3.増幅率のコントロール方法
(0)始める前に
a.前項の事を思い出してください| 1項ではオペアンプの増幅率が∞近くのため出力信号が飽和するためHi又はLoとなる特性を確認しました。 なお入力信号と出力信号の極性として |
|
Test1-1aは +端子に被比較信号を入力した場合に出力される信号は増幅率が∞なので方形波で同じ極性=非反転信号でした。 Test1-1bは ー端子に被比較信号を入力した場合の出力される信号は増幅率が∞なので方形波で違う極性=反転信号でした。 |
b.増幅率を変化させる方法
|
トランジスタで良く使う出力を帰還j回路で入力へ戻してやればゲインを調整できるのでは! オペアンプで帰還をかける場合は、入力信号と合わせ図示すると下図になと思います。 |
![]() また上記回路の入出力を式で表すと ![]() (簡略の式詳細は右式を確認) |
式の簡略化詳細 ![]() |
c.帰還を接続する位置
オペアンプの出力を帰還させ接続する入力端子には-と+の2ケースあり下表に示します。
d.実際のオペアンプの回路とB関係式
|
実際の回路では最低限オペアンプと抵抗で回路を構成します。 このため、今までBと記載した所を抵抗に置き換えて説明します。 BはOUTに際のオペアンプの回路では抵抗を使用し下図のようになります。 ![]() |
それでは各ケースに分け説明しますがその前に入力INも含めて説明するので、INの接続についてもオペアンプの入力端子+と-に分けて下表のCaseで説明します。
出力が電源電圧のV+又はV-付近に飽和してしまうので、出力信号として増幅率とは余り関係が無くなります。 実際には比較する入力がOUT×Bより大きいか又は小さいかで飽和するので、入力比較の場所で増幅率が関係しますが、出力が飽和状態となってしまうので、負帰還の様な 入力×増幅率=出力の関係とならないため余り使用されません。 |
|||||||||
(1)帰還を-端子に接続
(この接続方法を負帰還と言う)a.Test3-1a (入力は+端子に接続するこれを非反転入力と言う)
(a)計算式
右図の回路のINとOUTの関係式は![]() となります。 これは(0)c.項で説明した負帰還のOUTとINの関係式 (0)d.項のBの関係式により求める ![]() から求める事ができると思います。 |
![]() MEMO:「ボルテージフォロワ」回路について ![]() 上記回路図の様にR1が∞、R2は通常は0(Ω)なので負帰還の非反転回路の式 OUT=(1+0)×IN となるため 入力に1倍した値が出力される事が判る。 |
(b)実際に確認
前記のとおり、IN1はGNDに接続されているため、信号としては0Vになっている。
|
Test3-1aの回路 R1=9.096kΩ、R2=91.01kΩ、電源電圧VDD=12V(電源が±では無く単電源なので注意) 入力と出力の関係グラフの傾きからもわかるとおり増幅率は G=1+ R2/R1 ≒11倍 となっている
|
b.Test3-1b
(帰還は負帰還、入力は-端子に接続されている回線に接続するこれを反転入力と言う)
(a)計算式
右図の回路のINとOUTの関係式は![]() となります a項で求めた方法と違う式で説明します。 |
![]() |
![]() |
(b)実際に確認
|
Test3-1aの回路 R1=9.096kΩ、R2=91.01kΩ、電源電圧VDD=12V(電源が単電源なので注意) 入力と出力の関係グラフの傾きからもわかるとおり増幅率は G= R2/R1≒10倍 となる ![]() 試験回路は12Vの単電源のため、そのままではマイナスとなり信号が出ないので、IN2に1Vの信号を入れてIN1に入力電圧を入れている。 |
(2)帰還を+端子に接続
(この接続方法を正帰還と言う)a.Test3-2a (入力は-端子に接続するこれを反転入力と言う)
式で説明出来ないので言葉で説明します。
|
※出力信号は飽和します。 ①初期値として ②INの電圧がオペアンプ+端子電圧よりわずかに大きいとします。 ③差信号はマイナス信号となり×オペアンプの増幅率(≒∞)により ④出力が-電源電圧付近(飽和)になるまで低下します。 その時の+端子に加わる電圧 V④ は V④=OUT④(≒V-)×R1/(R1+R2) になります。 ⑤INの電圧が+端子のV④よりわずかに小さくなった場合は ⑥差信号はプラス信号となり×オペアンプの増幅率(≒∞)により ⑦出力が+電源電圧付近(飽和)になるまで上昇します。 その時の+端子に加わる電圧 V⑦ は V⑦=OUT⑦(≒V+)×R1/(R1+R2) になります。 INの信号が+端子の電圧より増減を繰り返す場合は ②~⑦までを繰り返すことになります。 |
![]() IN=500Hz △波16(Vpp) オシロ:黄色 オペアンプ+端子 オシロ:水色 電源電圧 V+ = +10V V- = -10V OUT電圧 OUT④ = -9.51V OUT⑦ = +8.173V |

b.Test3-2b
(帰還は正帰還、入力は+端子に接続されているR1に接続するこれを非反転入力と言う)
| 式で説明出来ないので言葉で説明します。 ※出力信号は飽和します。 ①初期値として -端子はGNDに接続され電圧は0V ②オペアンプの-端子より+端子電圧がよりわずかに大きいとします。 ③差信号はプラス信号となり×オペアンプの増幅率(≒∞)により ④出力が+電源電圧付近(飽和)になるまで上昇します。 その時の+端子に加わる電圧 V④ は V④=(OUT④(≒V+)-VIN)× R1/(R1+R2) +VIN になります。 ⑤オペアンプの-端子より+端子のV④がわずかに小さくなった場合は ⑥差信号はマイナス信号となり×オペアンプの増幅率(≒∞)により ⑦出力が-電源電圧付近(飽和)になるまで低下します。 その時の+端子に加わる電圧 V⑦ は V⑦=(OUT⑦(≒Vー)ーVIN)× R1/(R1+R2) +VIN になります。 INの信号が+端子の電圧より増減を繰り返す場合は ②~⑦までを繰り返すことになります。 |
![]() IN=500Hz △波16(Vp-p) オシロ:黄色 オペアンプ+端子 オシロ:水色 オペアンプOUT端子 オシロ:桃色 電源電圧 V+ = +10V V- = -10V OUT電圧 OUT④ = -9.5V OUT⑦ = +8.583V |

4.複数の入力
(1)負帰還の複数入力信号の確認
| 2項で確認したとおり、正帰還は出力が飽和するので、この項目では負帰還の回路での複数の入力の場合を確認します。 また反転信号について同じような話になりますので、ここでは、非反転で2入力、3入力の場合を説明する。
|
|||||
a.Test4(1-2)
入力2回路の式は![]() です。 下記に求め方を説明します。 ![]() |
![]() ![]() |
b.Test4-(1-3)
入力3回路の式は![]() です。 下記に求め方を説明します。 ![]() |
![]() ![]() |
(2)入力インピーダンスの注意点
| 抵抗を接続せず直接オペアンプの入力に接続すれば入力インピーダンスは∞に近い値にすることが出来ます。 入力回路の配線に周囲の電磁波から誘起する俗にいうノイズが入り回線のインピーダンスが∞の場合はこのノイズが減衰しないため、ノイズにより信号が隠れてしまうことになります。 ノイズに強い回路にするには入力インピーダンスをある程度低くする必要があります。 現状このサイトでは高周波回路を扱わないのである程度の処置として10~100kΩ程度をオペアンプの入力とGNDの間に入れます。 (微小な電圧 [4V以下の回路で27bit以上で分解するA/D、D/A変換する場合など30nV以下] を取り扱う場合は熱抵抗の影響も考慮する必要があり、その時は抵抗を小さくする、抵抗の両端にはコンデンサを取付ける、抵抗を接続しない等の対策が必要となってくる) プリント板は出来るだけ小さくする、プリントパタンーについては幅を広くとり裏面をGND面にする、大きな電流の変化が有るパターンから離す等配慮する必要があります。 |
| a.入力が1回路しか無い場合 | ![]() |
|
| 入力回路に抵抗を接続した回路が右図です。 入力インピーダンスの計算は で求める事が出来ます。 |
||
| b.入力が複数有る場合 | ![]() |
|
| 入力が1回路しかない場合と違って入力が複数ある場合はその他の入力電圧の変化により入力インピーダンスが変化する事に注意しなければなりません。 以下に2ケースを分けて説明する |
||
| ①IN1の回路 IN1の入力インピーダンスZ1は ![]() |
![]() |
|||||||||||||
の関係式で表すことができるのでIN1の入力インピーダンスはv1とOUTの関係で変わることとに加え電流の流れる向きが変わる事が判ります。
![]() つまりIN1の入力インピーダンスはIN2の電圧が変動することにより変化することになります。 注意点としては ・IN2の入力電圧が変化するとIN1の入力インピーダンスが変化する。
|
||||||||||||||
| ②IN21,IN22の回路 IN21の入力インピーダンスZ21は ![]() |
![]() |
| となりIN21の入力インピーダンスがv21とv22の関係で変わることと電流の流れる向きも変わる事が判ります。 又IN22のZ22はZ21と反対の電流方向を示します。
|










右図の回路のRは抵抗計で入力インピーダンスを確認した。
右図の回路のiPは電流電源でオペアンプの出力に対して電流を受け(i1)たり送っ(i2)たりする装置で YOKOGAWA CA100を使用している。






























