この解説は、Skyworks (Silicon Labs) Si47XX PROGRAMMING GUIDE AN332 を基に、Google AI (Gemini) の協力を得て作成しています。
1 プロパティ 0x0201. REFCLK_FREQ 概要
Reference Clock Frequency(基準クロック周波数設定プロパティ)
プリスケーラ出力からREFCLKの周波数を設定します。REFCLKの範囲は31130~34406 Hz(32768 Hz ±5%、1 Hz刻み)または0(AFC無効)です。
例えば、RCLKが13 MHzの場合、これを32500 HzのREFCLKに分周するには、プリスケーラ値を400に設定する必要があります。
その際、基準クロック周波数プロパティを32500 Hzに設定します。31130 Hzから40 MHzの範囲のRCLK周波数がサポートされていますが、 プリスケーラ値が1~10の範囲(周波数にして最大311300 Hzまで)では、周波数範囲に隙間(ギャップ)が生じます。
以下の表に、これらのRCLKの隙間をまとめます。
Table 7. RCLK Gaps
RCLKは、FM_TUNE_FREQおよびFM_SEEK_STARTコマンドの送信開始の10 ns前から、送信完了後の20 ns後まで有効である必要があります。
さらに、適切なAFC動作のためには、RCLKが常に有効である必要があります。
それ以外の時間帯であれば、RCLKの供給を停止したり、再設定したりすることが可能です。
次のコマンドを送信しても安全な状態になると、CTSビット(およびオプションの割り込み)がセットされます。
このプロパティの設定や読み出しは、パワーアップモード時のみ可能です。
デフォルト値は32768 Hzです。
対応範囲:すべて
デフォルト:0x8000 (32768)
単位:1 Hz
ステップ:1 Hz
範囲:31130~34406
プリスケーラ出力からREFCLKの周波数を設定します。REFCLKの範囲は31130~34406 Hz(32768 Hz ±5%、1 Hz刻み)または0(AFC無効)です。
例えば、RCLKが13 MHzの場合、これを32500 HzのREFCLKに分周するには、プリスケーラ値を400に設定する必要があります。
その際、基準クロック周波数プロパティを32500 Hzに設定します。31130 Hzから40 MHzの範囲のRCLK周波数がサポートされていますが、 プリスケーラ値が1~10の範囲(周波数にして最大311300 Hzまで)では、周波数範囲に隙間(ギャップ)が生じます。
以下の表に、これらのRCLKの隙間をまとめます。
| Prescaler | RCLK Low (Hz) | RCLK High (Hz) |
|---|---|---|
| 1 | 31130 | 34406 |
| 2 | 62260 | 68812 |
| 3 | 93390 | 103218 |
| 4 | 124520 | 137624 |
| 5 | 155650 | 172030 |
| 6 | 186780 | 206436 |
| 7 | 217910 | 240842 |
| 8 | 249040 | 275248 |
| 9 | 280170 | 309654 |
| 10 | 311300 | 344060 |
さらに、適切なAFC動作のためには、RCLKが常に有効である必要があります。
それ以外の時間帯であれば、RCLKの供給を停止したり、再設定したりすることが可能です。
次のコマンドを送信しても安全な状態になると、CTSビット(およびオプションの割り込み)がセットされます。
このプロパティの設定や読み出しは、パワーアップモード時のみ可能です。
デフォルト値は32768 Hzです。
対応範囲:すべて
デフォルト:0x8000 (32768)
単位:1 Hz
ステップ:1 Hz
範囲:31130~34406
2 プロパティ
2.1 プロパティリスト
| Bit | 上位バイト PROPH | 下位バイト PROPL | 15 | 14 | 13 | 12 | 11 | 10 | 9 | 8 | 7 | 6 | 5 | 4 | 3 | 2 | 1 | 0 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| Name | REFCLKF | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
| Bit | Name | Function |
|---|---|---|
| 15:0 | REFCLKF | 基準クロックの周波数(Hz)。 許容されるREFCLK周波数範囲は31130~34406 Hz(32768 Hz ±5%)、または0(AFCを無効にする場合)です。 |
2.2 プロパティ
本プロパティは、外部の RCLK ピンから入力(またはプリスケーラで分周)された後の、IC内部の周波数合成回路(PLL)へ直接入力される最終的な基準クロックの周波数を「1Hz単位」の数値で指定するものです。
デフォルト値は 0x8000(10進数で 32768 Hz)です。
本ICの選局(チューニング)精度や自動周波数制御(AFC)の動作は、すべてこのプロパティに設定された「周波数の絶対値」を正解のモノサシとして計算されます。
デフォルト値は 0x8000(10進数で 32768 Hz)です。
本ICの選局(チューニング)精度や自動周波数制御(AFC)の動作は、すべてこのプロパティに設定された「周波数の絶対値」を正解のモノサシとして計算されます。
2.2.1 REFCLKF (Reference Clock Frequency Field / REFCLK_FREQ)
目的と概要:
16ビット(Bit 15〜0)をフルに使用して、内部PLLに入力されるクロック周波数を 31130 〜 34406 Hz (32768Hz ±5%)の範囲内で指定します。
また、数値を 0 に設定すると自動周波数制御(AFC)を完全に無効化(disable)できます。
AN332に明記されない目的と解説:(Google AI (Gemini) の見解)
また、数値を 0 に設定すると自動周波数制御(AFC)を完全に無効化(disable)できます。
データシート等(AN332)では一見「単なる周波数の入力窓」のように見えますが、内部的な真の目的は「外部の水晶振動子の個体差(初期偏差)や経年劣化、
周囲温度による物理的な周波数のズレ(数Hz〜数十Hz)を、ハードウェアの微調整なしで完全にゼロへと校正(キャリブレーション)するデジタルアジャスター」として用意されています。
例えば、基板上に実装した32.768kHzの水晶が、実際の物理特性や配線容量のせいで「32,750Hz」で微小に遅く揺れていたとします。
この時、本プロパティへ正直に 32750 (0x7FF6) と書き込むと、内部DSPは「現在のモノサシは32750Hzである」と正確に認識し直し、逆算によって選局周波数のズレを打ち消す完璧なPLLの乗数をセルフリバランスします。
これにより、トリマーコンデンサなどのアナログ調整部品を一切排除し、完全にソフトウェアのみでミリヘルツ・ヘルツ単位の同調精度を担保する目的を達成しています
例えば、基板上に実装した32.768kHzの水晶が、実際の物理特性や配線容量のせいで「32,750Hz」で微小に遅く揺れていたとします。
この時、本プロパティへ正直に 32750 (0x7FF6) と書き込むと、内部DSPは「現在のモノサシは32750Hzである」と正確に認識し直し、逆算によって選局周波数のズレを打ち消す完璧なPLLの乗数をセルフリバランスします。
これにより、トリマーコンデンサなどのアナログ調整部品を一切排除し、完全にソフトウェアのみでミリヘルツ・ヘルツ単位の同調精度を担保する目的を達成しています
3 応答パラメータ
本項目はプロパティ(Property)の書き込み・読み出しであるため、コマンド(SET_PROPERTY, GET_PROPERTY)に対する共通のSTATUS返却値(1バイト)が応答パラメータに相当します。
STATUS (Status Byte)
STATUS (Status Byte)
CTS (Clear to Send):
ERR (Error):
1 になると、チップが前のコマンドの処理を完了し、次のコマンドを受け入れられる状態であることを示します。
ERR (Error):
入力した周波数の値が、ICのサポート範囲(31130Hz〜40000000Hz)を逸脱している場合などにエラーを示します(1 = エラーあり)。
4 その他(Google AI (Gemini) の見解)
4.1 コマンドの重要ステップと注意事項
0x0202(PRESCALE)」との連動順序:
外部から32.768kHz以外の高周波(例:13MHzなど)を RCLK ピンに入力する場合、先に姉妹プロパティである 0x0202: REFCLK_PRESCALE を設定して、
周波数を 31130〜34406Hz の範囲へ無理やり分周(ダウンサンプリング)しておく必要があります。
【重要ステップ】: 13,000,000Hz ÷ 400 = 32,500Hz になるよう、まず 0x0202 に 400 を書き込みます。
その後、本プロパティ(0x0201)へ分周後の正確な数値である 32500 (0x7EF4) を書き込まなければなりません。
この順番が逆になると、一時的に範囲外の周波数がDSPの計算式に入り、ICのPLLがロック外れ(ハングアップ状態)を引き起こします。
【重要ステップ】: 13,000,000Hz ÷ 400 = 32,500Hz になるよう、まず 0x0202 に 400 を書き込みます。
その後、本プロパティ(0x0201)へ分周後の正確な数値である 32500 (0x7EF4) を書き込まなければなりません。
この順番が逆になると、一時的に範囲外の周波数がDSPの計算式に入り、ICのPLLがロック外れ(ハングアップ状態)を引き起こします。
4.2 もう少し踏み込んだ応用展開
AFC(自動周波数制御)の意図的なシャットダウン:
本プロパティに 0 を書き込むと、AFC機能が完全に停止します。
通常のFM/AM放送波ではAFCが有効な方が快適ですが、アマチュア無線のSSB(単一側波帯)やCW(モールス信号)、微弱な遠距離の短波(SW)放送を受信する場合、 AFCが生きていると「強い隣接波やノイズに周波数が勝手に引っ張られる(引き込み現象)」が発生し、受信中の音声のピッチが不安定になります。
本プロパティを 0 にしてAFCを完全に殺し、周波数を物理的にガチガチに固定(ダイレクト・シンセサイザ化)することで、プロ用通信機並みのストレートなSSB混信除去性能を引き出すことができます。
通常のFM/AM放送波ではAFCが有効な方が快適ですが、アマチュア無線のSSB(単一側波帯)やCW(モールス信号)、微弱な遠距離の短波(SW)放送を受信する場合、 AFCが生きていると「強い隣接波やノイズに周波数が勝手に引っ張られる(引き込み現象)」が発生し、受信中の音声のピッチが不安定になります。
本プロパティを 0 にしてAFCを完全に殺し、周波数を物理的にガチガチに固定(ダイレクト・シンセサイザ化)することで、プロ用通信機並みのストレートなSSB混信除去性能を引き出すことができます。
4.3 デバッグ時のチェックリスト
代入する数値はHz単位の「生値」になっているか?:
分周後の値が「31130 〜 34406 Hz」の絶対境界に収まっているか?:
稀にkHz単位(32など)を代入してしまうプログラムのミスがあります。
必ず 32768 や 32500 といった物理的なHzの数値をそのまま16進数に換算して送っているか確認してください。
必ず 32768 や 32500 といった物理的なHzの数値をそのまま16進数に換算して送っているか確認してください。
分周後の値が「31130 〜 34406 Hz」の絶対境界に収まっているか?:
0x0202 で割った後の計算結果がこの範囲を1Hzでも超えていると、ICはエラー(STATUSのERRフラグ)を返して設定を拒否します。
パッチ(SSB対応等)適用前に初期化を終えているか?:
SSB受信用などの外部パッチファームウェアをRAMにロードする場合、このクロック定義(0x0201 / 0x0202)が正しく行われて内部システムが安定した状態でなければ、パッチの展開そのものが失敗します。
4.4 まとめ
プロパティ 0x0201: REFCLK_FREQ は、Si4735の内部DSPが現実世界の電波の周波数を正しく測るための「時間の絶対基準」を定義するレジスタです。
単に 32768 を入れるだけの初期化ルーチンとして見落とされがちですが、本質は「水晶の物理エラーのソフトウェア校正」と「AFCの完全制御(SSB受信の最適化)」を司る、無線機自作派やプロの回路設計者にとって非常に味のある強力なパラメータです。
単に 32768 を入れるだけの初期化ルーチンとして見落とされがちですが、本質は「水晶の物理エラーのソフトウェア校正」と「AFCの完全制御(SSB受信の最適化)」を司る、無線機自作派やプロの回路設計者にとって非常に味のある強力なパラメータです。
4.5 疑問にお答え
4.5.1 REFCLKFの値を出す計算式
質問
入力周波数からREFCLKFの値を出す計算式は
見解
入力周波数から設定値を導き出す正しい計算手順(決定版)
外部基準クロック(RCLK)の入力周波数から、プロパティ 0x0201 (REFCLK_FREQ) と 0x0202 (REFCLK_PRESCALE) の値を決めるには、以下の3つのステップを順番に行います。
ステップ1: 適切なプリスケーラ(分周比)の選択
ステップ2: REFCLK_FREQ(0x0201)への入力値の計算
ステップ3:REFCLK_PRESCALE(0x0202)への入力値の設定
外部基準クロック(RCLK)の入力周波数から、プロパティ 0x0201 (REFCLK_FREQ) と 0x0202 (REFCLK_PRESCALE) の値を決めるには、以下の3つのステップを順番に行います。
ステップ1: 適切なプリスケーラ(分周比)の選択
AN332の「Table 7. RCLK Gaps」の表を参照し、使用したいRCLKの入力周波数が RCLK Low (Hz) 〜 RCLK High (Hz) の範囲内に収まっている行(Prescalerの値)を抽出します。
注意点:この範囲に収まらないPrescalerの値は採用できません。
物理的意味:これにより、周波数の最小ステップ(分解能)は Prescaler [Hz] 単位になります。
注意点:この範囲に収まらないPrescalerの値は採用できません。
物理的意味:これにより、周波数の最小ステップ(分解能)は Prescaler [Hz] 単位になります。
ステップ2: REFCLK_FREQ(0x0201)への入力値の計算
入力周波数を、ステップ1で選んだPrescalerの値で割り算します。
その結果得られた「整数値(Hz単位)」を16進数に変換し、0x0201 の REFCLKF に入力します。
REFCLKF(15進数) = 入力周波数 / Prescalerの値
その結果得られた「整数値(Hz単位)」を16進数に変換し、0x0201 の REFCLKF に入力します。
REFCLKF(15進数) = 入力周波数 / Prescalerの値
ステップ3:REFCLK_PRESCALE(0x0202)への入力値の設定
ステップ1で決定したPrescalerの値をそのまま16進数に変換し、プロパティ 0x0202 の REFCLKP(Bit 9〜0)に入力します。
