この解説は、Skyworks (Silicon Labs) Si47XX PROGRAMMING GUIDE AN332 を基に、Google AI (Gemini) の協力を得て作成しています。
1 プロパティ 0x1401. FM_SEEK_BAND_TOP 概要
FM_SEEK_BAND_TOP
シーク動作におけるFM帯域の上限周波数を設定します。
次のコマンドを送信可能な状態になると、CTSビット(およびオプションの割り込み)がセットされます。
このプロパティは、パワーアップモード時のみ設定または読み出しが可能です。
デフォルト値は107.9 MHzです。
対応機種:すべて
デフォルト値:0x2A26
単位:10 kHz
ステップ:50 kHz
範囲:64~108 MHz
注:FMRXコンポーネントのバージョンが2.0以前の場合、範囲は76~108 MHzとなります。
シーク動作におけるFM帯域の上限周波数を設定します。
次のコマンドを送信可能な状態になると、CTSビット(およびオプションの割り込み)がセットされます。
このプロパティは、パワーアップモード時のみ設定または読み出しが可能です。
デフォルト値は107.9 MHzです。
対応機種:すべて
デフォルト値:0x2A26
単位:10 kHz
ステップ:50 kHz
範囲:64~108 MHz
注:FMRXコンポーネントのバージョンが2.0以前の場合、範囲は76~108 MHzとなります。
2 プロパティ
2.1 プロパティリスト
| Bit | 上位バイト PROPH | 下位バイト PROPL | 15 | 14 | 13 | 12 | 11 | 10 | 9 | 8 | 7 | 6 | 5 | 4 | 3 | 2 | 1 | 0 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| Name | FMSKFREQH | |||||||||||||||
| Bit | Name | Function |
|---|---|---|
| 15:0 | FMSKFREQH | FMシーク帯域上限周波数。 シーク時のFM帯域の上限周波数を選択します。 10 kHz単位で指定します。 デフォルト値は10790(107.9 MHz)です。 |
2.2 プロパティ
本プロパティは、FMモードにおいて自動選局(FM_SEEK_START)コマンドを実行した際、および周波数が端に達して折り返す(ラップアラウンドする)際における「シーク対象となるFM放送帯域の最上限周波数(トップ周波数)」を設定します。
デフォルト値は 0x2A30(十進数で10800、つまり 108.00 MHz)に設定されており、世界共通のFM/VHF帯の上限、および日本のワイドFM帯・旧アナログテレビ1〜3ch帯の上限に準拠しています。
デフォルト値は 0x2A30(十進数で10800、つまり 108.00 MHz)に設定されており、世界共通のFM/VHF帯の上限、および日本のワイドFM帯・旧アナログテレビ1〜3ch帯の上限に準拠しています。
2.2.1 FMSKFREQH (FM Seek Band Top Frequency)
目的と概要:
シーク動作が走るFM周波数帯の上限値を 10 kHzステップ の数値で設定します。
設定値は周波数(MHz)を100倍した値(10kHz単位の整数)を入力します。デフォルトである 108.00 MHz で運用する場合はそのまま(10800 / 0x2A30)で問題ありませんが、 日本の旧来のFM放送帯域(〜90.00 MHz)に制限したい場合は十進数で 9000(十六進数で 0x2328)、現在のワイドFM上限(〜95.00 MHz)に制限したい場合は 9500(十六進数で 0x251C)を書き込みます。
AN332に明記されない目的と解説:
設定値は周波数(MHz)を100倍した値(10kHz単位の整数)を入力します。デフォルトである 108.00 MHz で運用する場合はそのまま(10800 / 0x2A30)で問題ありませんが、 日本の旧来のFM放送帯域(〜90.00 MHz)に制限したい場合は十進数で 9000(十六進数で 0x2328)、現在のワイドFM上限(〜95.00 MHz)に制限したい場合は 9500(十六進数で 0x251C)を書き込みます。
スキャン時間の短縮とハイスピード選局の実現:
AN332では上限を規定するだけの説明ですが、本質的には「無駄な空き帯域をスキャン対象から切り捨てることによる、シーク処理全体の高速化」に直結します。
例えば、日本国内で95.0 MHzを超える周波数(95.1〜108.0 MHz)にはFM放送局が配置されていない地域が多いため、この上限を 9500 に絞り込むことで、 内蔵シークエンジンが「誰もいない13MHz分の広大なノイズ地帯」を無駄に走査して時間を浪費するのを防ぎ、選局完了までの体感時間を劇的に短縮できます。
隣接する特殊マルチキャスト・VHF帯の動的除外: 95MHz以上の帯域でコミュニティFMやVHF帯を利用した特殊な通信、あるいは別の実験的電波が飛び込んでくるロケーションにおいて、 通常のFMラジオ放送だけをシーク巡回させたい場合に、上位帯域を完全にシャットアウトする「デジタル壁」として機能します。
AN332では上限を規定するだけの説明ですが、本質的には「無駄な空き帯域をスキャン対象から切り捨てることによる、シーク処理全体の高速化」に直結します。
例えば、日本国内で95.0 MHzを超える周波数(95.1〜108.0 MHz)にはFM放送局が配置されていない地域が多いため、この上限を 9500 に絞り込むことで、 内蔵シークエンジンが「誰もいない13MHz分の広大なノイズ地帯」を無駄に走査して時間を浪費するのを防ぎ、選局完了までの体感時間を劇的に短縮できます。
隣接する特殊マルチキャスト・VHF帯の動的除外: 95MHz以上の帯域でコミュニティFMやVHF帯を利用した特殊な通信、あるいは別の実験的電波が飛び込んでくるロケーションにおいて、 通常のFMラジオ放送だけをシーク巡回させたい場合に、上位帯域を完全にシャットアウトする「デジタル壁」として機能します。
3 応答パラメータ
STATUS (Status Byte)
RESP1 (Response Byte 1 / High Byte)
RESP2 (Response Byte 2 / Low Byte)
[目的と概要]デバイスの現在の全体ステータスを返します。
最上位ビットの CTS (Clear to Send) は、デバイスが次のコマンドを受け付けられる状態(1)か、処理中(0)かを示します。
ERR ビット(Bit 6)が 1 の場合は、直前のコマンドやパラメータに不正があったことをホストに伝えます。
最上位ビットの CTS (Clear to Send) は、デバイスが次のコマンドを受け付けられる状態(1)か、処理中(0)かを示します。
ERR ビット(Bit 6)が 1 の場合は、直前のコマンドやパラメータに不正があったことをホストに伝えます。
RESP1 (Response Byte 1 / High Byte)
[目的と概要]GET_PROPERTY 実行時にのみ意味を持ち、設定されている16ビットのプロパティ値のうち上位8ビット(MSB)を返します。
FM_RSQ_RSSI_HI_THRESHOLD の有効範囲は 0〜127(7ビット)であるため、このバイトは常に 0x00 となります。
FM_RSQ_RSSI_HI_THRESHOLD の有効範囲は 0〜127(7ビット)であるため、このバイトは常に 0x00 となります。
RESP2 (Response Byte 2 / Low Byte)
[目的と概要]GET_PROPERTY 実行時にのみ意味を持ち、設定されているプロパティ値の下位8ビット(LSB)を返します。
ここに現在設定されている RSSIH の値(0x00〜0x7F)が格納されて返ってきます。
ここに現在設定されている RSSIH の値(0x00〜0x7F)が格納されて返ってきます。
4 その他(Google AI (Gemini) の見解)
4.1 コマンドの重要ステップと注意事項
Powerupモードでの実行必須:
対となるプロパティ(0x1400)との大小関係の死守:
現在のチューニング周波数との整合性:
必ず POWER_UP (0x01) コマンドを発行してデバイスがFMモードとして起動している状態で設定を行ってください。
対となるプロパティ(0x1400)との大小関係の死守:
必ず前項の FM_SEEK_BAND_BOTTOM (0x1400) で設定した下限周波数よりも「高い値」を設定してください。
万が一、上下限の値が逆転してしまったり、同じ値(例:上下限とも76MHzなど)を書き込んでしまったりすると、シークコマンド実行時にチップ内部のDSPがクラッシュするか、即座に選局エラーが返される原因になります。
万が一、上下限の値が逆転してしまったり、同じ値(例:上下限とも76MHzなど)を書き込んでしまったりすると、シークコマンド実行時にチップ内部のDSPがクラッシュするか、即座に選局エラーが返される原因になります。
現在のチューニング周波数との整合性:
本プロパティで上限を書き換える際、現在チップが実際に受信している周波数(FM_TUNE_FREQ などで設定した値)が、新しく設定する上限値を上回っていないかプログラム側で事前に確認してください。
境界の外側に現在値がある状態でシークをかけると、予期せぬ周波数へのジャンプが起きることがあります。
境界の外側に現在値がある状態でシークをかけると、予期せぬ周波数へのジャンプが起きることがあります。
4.2 もう少し踏み込んだ応用展開
固定受信における「ローカル局専用(高速)スキャン」と「Eスポ専用(広帯域)スキャン」のUI連動:
固定運用のデスクトップラジオにおいて、液晶ディスプレイやホスト側PCソフトに「BAND MODE」という切り替えを設ける応用が面白いです。
「国内一般モード」:ボトム=76.0MHz / トップ=90.0(または95.0)MHzに制限し、最速で国内局だけを巡回。
「Eスポ・海外モニターモード」:ボトム=87.5MHz / トップ=108.0MHz、あるいはボトム=76.0MHz / トップ=108.0MHzの全開放にし、日本国内の枠を飛び越えた未知の周波数帯をじっくり探索。
このように、本プロパティをホスト側から動的にリマッピングすることで、内蔵シークコマンドを一つ叩くだけで全く異なる特性のスキャンロジックを走らせることができます。
「国内一般モード」:ボトム=76.0MHz / トップ=90.0(または95.0)MHzに制限し、最速で国内局だけを巡回。
「Eスポ・海外モニターモード」:ボトム=87.5MHz / トップ=108.0MHz、あるいはボトム=76.0MHz / トップ=108.0MHzの全開放にし、日本国内の枠を飛び越えた未知の周波数帯をじっくり探索。
このように、本プロパティをホスト側から動的にリマッピングすることで、内蔵シークコマンドを一つ叩くだけで全く異なる特性のスキャンロジックを走らせることができます。
4.3 デバッグ時のチェックリスト
ワイドFM帯を正しくスキャンするために、トップが 9500 (0x251C) もしくは世界標準の 10800 (0x2A30) になっているか?(旧仕様の9000のままだと、90.1MHz〜94.9MHzの間にあるワイドFM局をシークで完全に無視してしまいます)
シークを実行し、上限に到達した後に正しく下限(ボトム周波数)へとラップアラウンド(折り返し)してスキャンがループされるか?
SET_PROPERTY 発行直後に STATUS の CTS ビットをポーリングし、内部レジスタへの書き込み完了を待ってから実際の選局動作に入っているか?
シークを実行し、上限に到達した後に正しく下限(ボトム周波数)へとラップアラウンド(折り返し)してスキャンがループされるか?
SET_PROPERTY 発行直後に STATUS の CTS ビットをポーリングし、内部レジスタへの書き込み完了を待ってから実際の選局動作に入っているか?
4.4 まとめ
FM_SEEK_BAND_TOP(0x1401)は、Si4735の自動シークエンジンが探索を許される「世界の終わり(最右端)」を定義する境界線パラメータです。
固定設置型の受信機において、本プロパティを「90.0MHz」「95.0MHz」「108.0MHz」と適切に制限・開放することで、スキャン中の無駄な「待ち時間(ノイズエリアの走査時間)」を最小限に抑え込み、 リスナーに対してレスポンスが良く洗練されたオートチューニング環境を提供することが可能になります。
固定設置型の受信機において、本プロパティを「90.0MHz」「95.0MHz」「108.0MHz」と適切に制限・開放することで、スキャン中の無駄な「待ち時間(ノイズエリアの走査時間)」を最小限に抑え込み、 リスナーに対してレスポンスが良く洗練されたオートチューニング環境を提供することが可能になります。
