この解説は、Skyworks (Silicon Labs) Si47XX PROGRAMMING GUIDE AN332 を基に、Google AI (Gemini) の協力を得て作成しています。
1 プロパティ 0x1502. FM_RDS_CONFIG 概要
FM_RDS_CONFIG
RDS処理を有効化(RDSEN)し、RDSブロックエラーの閾値を設定するためのRDS設定を行います。
RDSグループを受信した際、そのグループがRDS FIFOに格納されるためには、すべてのブロックエラー数が、当該グループに適用されるブロックエラー閾値以下である必要があります。
エラーを含むブロックがFIFOへの格納を許可された場合、FM_RDS_STATUSコマンドを使用してグループを読み出す際に、ブロックエラー情報を確認できます。
次のコマンドを送信可能な状態になると、CTSビット(およびオプションの割り込み)がセットされます。
このプロパティは、パワーアップモードの時のみ設定または読み出しが可能です。
デフォルト値は0x0000です。
注:FM_RDS_CONFIGは、FMRXコンポーネントバージョン2.0以降でサポートされています。
対応デバイス:Si4705/06、Si4731/32/35
デフォルト値:0x0000
RDS処理を有効化(RDSEN)し、RDSブロックエラーの閾値を設定するためのRDS設定を行います。
RDSグループを受信した際、そのグループがRDS FIFOに格納されるためには、すべてのブロックエラー数が、当該グループに適用されるブロックエラー閾値以下である必要があります。
エラーを含むブロックがFIFOへの格納を許可された場合、FM_RDS_STATUSコマンドを使用してグループを読み出す際に、ブロックエラー情報を確認できます。
次のコマンドを送信可能な状態になると、CTSビット(およびオプションの割り込み)がセットされます。
このプロパティは、パワーアップモードの時のみ設定または読み出しが可能です。
デフォルト値は0x0000です。
注:FM_RDS_CONFIGは、FMRXコンポーネントバージョン2.0以降でサポートされています。
対応デバイス:Si4705/06、Si4731/32/35
デフォルト値:0x0000
2 プロパティ
2.1 プロパティリスト
| Bit | 上位バイト PROPH | 下位バイト PROPL | 15 | 14 | 13 | 12 | 11 | 10 | 9 | 8 | 7 | 6 | 5 | 4 | 3 | 2 | 1 | 0 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| Name | BLETHA | BLETHB | BLETHC | BLETHD | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | RDSEN | ||||
| Bit | Name | Function |
|---|---|---|
| 15:14 | BLETHA | ブロックエラー閾値 BLOCKA。 0 = エラーなし。 1 = 1~2ビットのエラーを検出・訂正。 2 = 3~5ビットのエラーを検出・訂正。 3 = 訂正不能。 |
| 13:12 | BLETHB | ブロックエラー閾値 BLOCKB。 0 = エラーなし。 1 = 1~2ビットのエラーを検出・訂正。 2 = 3~5ビットのエラーを検出・訂正。 3 = 訂正不能。 |
| 11:10 | BLETHC | ブロックエラー閾値 BLOCKC。 0 = エラーなし。 1 = 1~2ビットのエラーを検出・訂正。 2 = 3~5ビットのエラーを検出・訂正。 3 = 訂正不能。 |
| 9:8 | BLETHD | ブロックエラー閾値 BLOCKD。 0 = エラーなし。 1 = 1~2ビットのエラーを検出・訂正。 2 = 3~5ビットのエラーを検出・訂正。 3 = 訂正不能。 |
| 0 | RDSEN | RDS処理を有効にする。 1 = RDS処理を有効にする |
2,2,2,2 = 未修正のエラーが1つでもある場合、グループは保存されません。
3,3,3,3 = エラーの有無にかかわらず、グループは保存されます。
0,0,0,0 = 修正済みまたは未修正のエラーを含むグループは保存されません。
3,2,3,3 = A、C、Dのエラー状況にかかわらず、Bに修正済みエラーがある状態でグループが保存されます。
2.2 プロパティ
本プロパティは、Si4735の内蔵RDSデコーダーの有効化・無効化、および受信したRDSデータの各ブロック(A, B, C, D)に対するエラー訂正(ブロックエラーしきい値:Block Error Threshold)の厳格さを個別に設定します。
各ブロックのエラー訂正能力(0〜3ビットのエラー検出・訂正、または訂正不可判定)の合格ラインを細かく規定することで、信頼性の高いデータのみを内部FIFOへ格納させるフィルターとして機能します。デフォルト値は 0x0000 です。
各ブロックのエラー訂正能力(0〜3ビットのエラー検出・訂正、または訂正不可判定)の合格ラインを細かく規定することで、信頼性の高いデータのみを内部FIFOへ格納させるフィルターとして機能します。デフォルト値は 0x0000 です。
2.2.1 BLETHA (Block Error Threshold A)
目的と概要:
ブロックAに対するエラー訂正の合格しきい値を設定します。
0:0ビットエラー(無修正のみ合格)
1:1〜2ビットのエラー訂正を許可
2:3ビットまでのエラー訂正を許可
3:訂正不可(Uncorrectable)でも合格とし、生のデータをそのまま出力
AN332に明記されない目的と解説:
0:0ビットエラー(無修正のみ合格)
1:1〜2ビットのエラー訂正を許可
2:3ビットまでのエラー訂正を許可
3:訂正不可(Uncorrectable)でも合格とし、生のデータをそのまま出力
局識別(PIコード)の誤認識によるUIチャタリングの絶対防御:
ブロックAには必ず局を識別するPIコードが含まれます。
固定受信において、この BLETHA を甘く(例: 2や3に)設定すると、ノイズによる文字化けデータを「正しい局ID」と誤認し、液晶表示の局名やプリセットが激しく書き換わる(チャタリングする)原因になります。
PIコードの確実性を担保するため、本値は常に 0 または 1 に引き締めて運用するのが固定受信における定石です。
ブロックAには必ず局を識別するPIコードが含まれます。
固定受信において、この BLETHA を甘く(例: 2や3に)設定すると、ノイズによる文字化けデータを「正しい局ID」と誤認し、液晶表示の局名やプリセットが激しく書き換わる(チャタリングする)原因になります。
PIコードの確実性を担保するため、本値は常に 0 または 1 に引き締めて運用するのが固定受信における定石です。
2.2.2 BLETHB (Block Error Threshold B)
目的と概要:
ブロックBに対するエラー訂正の合格しきい値を設定します(選択値の定義は BLETHA と共通)。
AN332に明記されない目的と解説:
グループ判定の精度向上: ブロックBにはグループタイプ(テキストか、時刻か、交通情報か等)を決定する重要な4ビットが含まれます。
ここがノイズで1ビットでも書き換わると、チップは全く別のデータグループとして誤解析してしまいます。
そのため、ブロックBのしきい値も厳しめ(0または1)に維持することが、後続のC・Dブロックの解析効率を無駄に落とさないための技術的ポイントです。
ここがノイズで1ビットでも書き換わると、チップは全く別のデータグループとして誤解析してしまいます。
そのため、ブロックBのしきい値も厳しめ(0または1)に維持することが、後続のC・Dブロックの解析効率を無駄に落とさないための技術的ポイントです。
2.2.3 BLETHC (Block Error Threshold C)
目的と概要:
ブロックCに対するエラー訂正の合格しきい値を設定します(選択値の定義は BLETHA と共通)。
AN332に明記されない目的と解説:
文字列デコードにおける「粘り強さ」の緩和ポイント: ブロックCおよびDには、主にラジオテキスト(曲名・番組名)の文字データ本体が格納されます。
固定受信で遠距離局やEスポ局を狙う際、文字データの1文字がノイズで化けても、人間が読めば文脈で推測できることが多々あります。
あえて BLETHC を 2 などの少し緩めの値に設定しておくことで、「多少のノイズがあっても、文字情報を途切れさせずに液晶へ引っ張り出す」という、DX受信に特化した文字回収ロジックが構築できます。
固定受信で遠距離局やEスポ局を狙う際、文字データの1文字がノイズで化けても、人間が読めば文脈で推測できることが多々あります。
あえて BLETHC を 2 などの少し緩めの値に設定しておくことで、「多少のノイズがあっても、文字情報を途切れさせずに液晶へ引っ張り出す」という、DX受信に特化した文字回収ロジックが構築できます。
2.2.4 BLETHD (Block Error Threshold D)
目的と概要:
ブロックDに対するエラー訂正の合格しきい値を設定します(選択値の定義は BLETHA と共通)。
AN332に明記されない目的と解説:
文字データの末尾救済: ブロックCと同様に、ラジオテキストの後半データが格納されます。
CとDのしきい値を同期して緩める(例: 2にする)ことで、弱電界局のテキスト受信において、全ブロックが100%完璧なクリーン状態(0ビットエラー)で揃うのを待つという非現実的な膠着状態を打破し、 文字放送の表示レスポンスを劇的に向上させます。
CとDのしきい値を同期して緩める(例: 2にする)ことで、弱電界局のテキスト受信において、全ブロックが100%完璧なクリーン状態(0ビットエラー)で揃うのを待つという非現実的な膠着状態を打破し、 文字放送の表示レスポンスを劇的に向上させます。
2.2.5 RDSEN (RDS Enable)
目的と概要:
チップ内部のRDSデコーダー全体の電源および処理を有効化(1)または無効化(0)します。
AN332に明記されない目的と解説:
受信フロントエンドへのデジタルノイズ(カブリ)の完全シャットダウン:
RDS機能がON(1)のとき、Si4735の内部DSPは57kHzのサブキャリアを常にサンプリングし、相関演算とエラー訂正(ECC)アルゴリズムをフル回転で実行し続けます。
固定受信において、RDSデータが全く放送されていない周波数(またはRDSを採用していない日本のローカルFM局)を受信している際、RDSEN を 1 のままにしておくと、 この内部デジタル演算回路自体のスイッチングノイズが微弱なRFフロントエンドへ回り込み、アナログ音声のクオリティやS/N比をわずかに劣化させる要因となります。 不要な時は明示的に 0 に落とすことで、最高純度のアナログFM音声出力を得ることができます。
RDS機能がON(1)のとき、Si4735の内部DSPは57kHzのサブキャリアを常にサンプリングし、相関演算とエラー訂正(ECC)アルゴリズムをフル回転で実行し続けます。
固定受信において、RDSデータが全く放送されていない周波数(またはRDSを採用していない日本のローカルFM局)を受信している際、RDSEN を 1 のままにしておくと、 この内部デジタル演算回路自体のスイッチングノイズが微弱なRFフロントエンドへ回り込み、アナログ音声のクオリティやS/N比をわずかに劣化させる要因となります。 不要な時は明示的に 0 に落とすことで、最高純度のアナログFM音声出力を得ることができます。
3 応答パラメータ
STATUS (Status Byte)
RESP1 (Response Byte 1 / High Byte)
RESP2 (Response Byte 2 / Low Byte)
[目的と概要]デバイスの現在の全体ステータスを返します。
最上位ビットの CTS (Clear to Send) は、デバイスが次のコマンドを受け付けられる状態(1)か、処理中(0)かを示します。
ERR ビット(Bit 6)が 1 の場合は、直前のコマンドやパラメータに不正があったことをホストに伝えます。
最上位ビットの CTS (Clear to Send) は、デバイスが次のコマンドを受け付けられる状態(1)か、処理中(0)かを示します。
ERR ビット(Bit 6)が 1 の場合は、直前のコマンドやパラメータに不正があったことをホストに伝えます。
RESP1 (Response Byte 1 / High Byte)
[目的と概要]GET_PROPERTY 実行時にのみ意味を持ち、設定されている16ビットのプロパティ値のうち上位8ビット(MSB)を返します。
FM_RSQ_RSSI_HI_THRESHOLD の有効範囲は 0〜127(7ビット)であるため、このバイトは常に 0x00 となります。
FM_RSQ_RSSI_HI_THRESHOLD の有効範囲は 0〜127(7ビット)であるため、このバイトは常に 0x00 となります。
RESP2 (Response Byte 2 / Low Byte)
[目的と概要]GET_PROPERTY 実行時にのみ意味を持ち、設定されているプロパティ値の下位8ビット(LSB)を返します。
ここに現在設定されている RSSIH の値(0x00〜0x7F)が格納されて返ってきます。
ここに現在設定されている RSSIH の値(0x00〜0x7F)が格納されて返ってきます。
4 その他(Google AI (Gemini) の見解)
4.1 コマンドの重要ステップと注意事項
複雑なビット演算の事前検証:
Powerupモードでの実行必須:
本プロパティは、複数の2ビットフィールド(BLETHx)と1ビットフラグ(RDSEN)が1つの16ビットワード内に緻密にパッキングされています。
ホスト側のプログラムで値を合成する際、ビットシフト(例: (bletha << 12) | (blethb << 10) ...)の計算ミスで予期せぬビットを上書きし、 RDSEN が意図せず 0 に落ちてしまうといったバグが発生しやすいため、ビットマスクの設計は慎重に行ってください。
ホスト側のプログラムで値を合成する際、ビットシフト(例: (bletha << 12) | (blethb << 10) ...)の計算ミスで予期せぬビットを上書きし、 RDSEN が意図せず 0 に落ちてしまうといったバグが発生しやすいため、ビットマスクの設計は慎重に行ってください。
Powerupモードでの実行必須:
デバイスがFM受信モードとして完全に起動している状態(CTS=1)で設定を行ってください。
4.2 もう少し踏み込んだ応用展開
受信モードに応じた「インテリジェント・エラー訂正マトリクス」の動的切り替え:
固定レシーバーのホストマイコン側で、現在のRSSI/SNRやユーザーの選択モードに応じて本プロパティをリアルタイムに最適化する設計が非常に面白いです。
【通常高画質(BGM)モード】: 全ブロックの BLETH を 0(完璧なデータのみ)に設定。文字化けを1文字たりとも許さない美しい表示。
【弱電界・Eスポ探索モード】: BLETHA/B=1(PIやグループは最低限死守)、BLETHC/D=2(テキスト本体は3ビット修正まで許容して粘り強く出す)に緩和。 このように動的制御をかけることで、高級通信機のような圧倒的な「データの拾い上げ能力」をソフトウェアで実現できます。
【通常高画質(BGM)モード】: 全ブロックの BLETH を 0(完璧なデータのみ)に設定。文字化けを1文字たりとも許さない美しい表示。
【弱電界・Eスポ探索モード】: BLETHA/B=1(PIやグループは最低限死守)、BLETHC/D=2(テキスト本体は3ビット修正まで許容して粘り強く出す)に緩和。 このように動的制御をかけることで、高級通信機のような圧倒的な「データの拾い上げ能力」をソフトウェアで実現できます。
4.3 デバッグ時のチェックリスト
RDSEN (Bit 0) が確実に 1 にセットされているか?(ここが0のままだと、割り込みソースなどをいくらいじってもRDSデータは1ビットも上がってきません)
弱電界の海外局を受信した際、FIFOにデータが溜まらなくなった場合、BLETH の設定が厳しすぎないか?(一時的にすべて 2 に緩めて、FM_RDS_STATUS から上がってくるブロックエラーインジケーターの挙動を確認してください)
SET_PROPERTY 発行直後に STATUS の CTS ビットをポーリングし、内部レジスタへの反映を確認してから後続のRDS処理へ移行しているか?
弱電界の海外局を受信した際、FIFOにデータが溜まらなくなった場合、BLETH の設定が厳しすぎないか?(一時的にすべて 2 に緩めて、FM_RDS_STATUS から上がってくるブロックエラーインジケーターの挙動を確認してください)
SET_PROPERTY 発行直後に STATUS の CTS ビットをポーリングし、内部レジスタへの反映を確認してから後続のRDS処理へ移行しているか?
4.4 まとめ
FM_RDS_CONFIG(0x1502)は、Si4735のデータ受信能力を「高信頼性重視」にするか「感度(粘り)重視」にするか、そのフィルターの網の目を決定づける最重要プロパティです。
固定設置型受信機を設計されるhobbylab.jpにおいて、単にRDSをONにするだけでなく、A/Bブロック(局属性)とC/Dブロック(テキスト中身)でエラー訂正しきい値に「傾斜(メリハリ)」をつける応用テクニック、 そして日本の放送局受信時における RDSEN の完全OFFによる内部デジタルノイズ抑制といった知見をWebページに掲載することで、DSPラジオのポテンシャルを120%引き出すための究極のマニュアルとして輝きを放つことになります。
固定設置型受信機を設計されるhobbylab.jpにおいて、単にRDSをONにするだけでなく、A/Bブロック(局属性)とC/Dブロック(テキスト中身)でエラー訂正しきい値に「傾斜(メリハリ)」をつける応用テクニック、 そして日本の放送局受信時における RDSEN の完全OFFによる内部デジタルノイズ抑制といった知見をWebページに掲載することで、DSPラジオのポテンシャルを120%引き出すための究極のマニュアルとして輝きを放つことになります。
