Hobby Lab 趣味のモノ作り実験のサイトです。
部品 オペアンプ_関係 Si4735 マニュアル PrpNote0x1A04
1 0x1A04. FM_HICUT_M・・ 概要
2 プロパティ
2.1 プロパティリスト
2.2 プロパティ
2.2.1 MULT_TRIGGER
3 応答パラメータ
3.1 パラメータリスト
3.2 パラメータ
4 その他(Gemini)の見解
4.1 コマンドのステップ注意事項
4.2 もう少し踏み込んだ応用展開
4.3 デバッグ時のチェックリスト
4.4 まとめ

PrO:Si4735関係  Si4735について
 Si4735ラジオを作って見よう1
 Si4735テスト中に困った!事項
 v コマンド & パラメータ解説 v
 0x01. POWER_UP
 0x10. GET_REV
 0x11. POWER_DOWN
 0x12. SET_PROPERTY
 0x13. GET_PROPERTY
 0x14. GET_INT_STATUS
 0x20. FM_TUNE_FREQ
 0x21. FM_SEEK_START
 0x22. FM_TUNE_STATUS
 0x23. FM_RSQ_STATUS
 0x24. FM_RDS_STATUS
 0x27. FM_AGC_STATUS
 0x28. FM_AGC_OVERRIDE
 0x40. AM_TUNE_FREQ
 0x41. AM_SEEK_START
 0x42. AM_TUNE_STATUS
 0x43. AM_RSQ_STATUS
 0x47. AM_AGC_STATUS
 0x48. AM_AGC_OVERRIDE
 0x80. GPIO_CTL
 0x81. GPIO_SET
 v プロパティ解説 v
 0x0001.GPO_IEN
 0x0102. DIGITAL_OUTPUT・・
 0x0104. DIGITAL_OUTPUT・・
 0x0201. REFCLK_FREQ
 0x0202. REFCLK_PRESCALE
 0x1100. FM_DEEMPHASIS
 0x1102. FM_CHANNEL_FILTER
 0x1107. FM_ANTENNA_INPUT
 0x1108. FM_MAX_TUNE_ERR・・
 0x1200. FM_RSQ_INT_SOURCE
 0x1201. FM_RSQ_SNR_HI_T・・
 0x1202. FM_RSQ_SNR_LO_T・・
 0x1203. FM_RSQ_RSSI_HI・・
 0x1204. FM_RSQ_RSSI_LO・・
 0x1205. FM_RSQ_MULTIPA・・
 0x1206. FM_RSQ_MULTIPA・・
 0x1207. FM_RSQ_BLEND_TH・・
 0x1300. FM_SOFT_MUTE_RATE
 0x1301. FM_SOFT_MUTE_SL・・
 0x1302. FM_SOFT_MUTE_M・・
 0x1303. FM_SOFT_MUTE_S・・
 0x1304. FM_SOFT_MUTE_R・・
 0x1305. FM_SOFT_MUTE_A・・
 0x1400. FM_SEEK_BAND_B・・
 0x1401. FM_SEEK_BAND_TOP
 0x1402. FM_SEEK_FREQ_S・・
 0x1403. FM_SEEK_TUNE_S・・
 0x1404. FM_SEEK_TUNE_R・・
 0x1500. FM_RDS_INT_SOU・・
 0x1501. FM_RDS_INT_FIF・・
 0x1502. FM_RDS_CONFIG
 0x1503. FM_RDS_CONFIDE・・
 0x1800. FM_BLEND_RSSI_S・・
 0x1801. FM_BLEND_RSSI_M・・
 0x1802. FM_BLEND_RSSI_A・・
 0x1803. FM_BLEND_RSSI_R・・
 0x1804. FM_BLEND_SNR_ST・・
 0x1805. FM_BLEND_SNR_M・・
 0x1806. FM_BLEND_SNR_A・・
 0x1807. FM_BLEND_SNR_R・・
 0x1808. FM_BLEND_MULTI・・
 0x1809. FM_BLEND_MULTI・・
 0x180A. FM_BLEND_MULTI・・
 0x180B. FM_BLEND_MULTI・・
 0x1A00. FM_HICUT_SNR_H・・
 0x1A01. FM_HICUT_SNR_L・・
 0x1A02. FM_HICUT_ATTAC・・
 0x1A03. FM_HICUT_RELEA・・
 0x1A04. FM_HICUT_MULTI・・
 0x1A05. FM_HICUT_MULTI・・
 0x1A06. FM_HICUT_CUTOF・・
 0x3100. AM_DEEMPHASIS
 0x3102. AM_CHANNEL_FIL・・
 0x3103. AM_AUTOMATIC_V・・
 0x3104. AM_MODE_AFC_SW・・
 0x3105. AM_MODE_AFC_SW・・
 0x3200. AM_RSQ_INT_SOU・・
 0x3201. AM_RSQ_SNR_HI_T・
 0x3202. AM_RSQ_SNR_LO_T・
 0x3203. AM_RSQ_RSSI_HI・・
 0x3204. AM_RSQ_RSSI_LO・・
 0x3300. AM_SOFT_MUTE_R・・
 0x3400. AM_SEEK_BAND_B・・
 0x3401. AM_SEEK_BAND_TOP
 0x3402. AM_SEEK_FREQ_S・・
 0x3403. AM_SEEK_TUNE_S・・
 0x3404. AM_SEEK_TUNE_R・・
 0x4000. RX_VOLUME
 0x4001. RX_HARD_MUTE

Pr:OPAMP オペアンプ関係
PrO:送受信機  Si4735
PrO:オペアンプ  LM324
 LM358
Pr:Prプロセッサ関係
PrP:プロセッサ
動作比較
 STM32F動作比較
 CH32V203&STM32F 動作比較
 arduino動作比較
raspberrypi関係
 RaspberryPiハード
CH32V関係
 -CH32V開始
 -203K8T6(32Pin)開始
 -203C8T6(48P)開始
 -003J4M6(8Pin)開始
 -003F4P6(20Pin)開始
 -Moun River StudioⅡ
 プログラミング!
  203_GPIO関係
  203_TIME関係
  203_TIME Encoder
  203_I2C関係
  203_1-Wire関係
  003_DS18B20テスター
  USART(UART)関係
  DS18B20をModBus制御
 -マニュアル
 203データシート
 203取説
  MBA メモリとバス方式
  PWR 電力制御
  RCC リセット・拡張・クロック
  BKP バックアップレジスタ
  CRC 巡回冗長検査
  RTC リアルタイムクロック
  GPIO GPIOと代替機能
  DMA ダイレクトメモリアクセス制御
  ADTM 高度な制御タイマー
  GPTM 汎用タイマー
  BCTM 基本タイマー
  USART 同期非同期通信
arduino関係
 ESP12関係
 (a)ESP-8266D1mini注意
PrP:その他  RS485ドライバー
 CP2102 BRIDGE
 WCH-LinkEエミュレーター
Pr:Wire 電線関係
Pr:Resistance 抵抗
Pr:Capacitor コンデンサ
Pr:Coil コイル
Pr:PassiveElmt 受動素子
Pr:Diode ダイオード関係
Pr:Tr トランジスタ関係
2SC1815
 リレードライバー設計
 アンプ設計
 発振器
TLP152
 TLP152テスト
TLP2361
 TLP2361テスト
TLP5754
 TLP5754テスト
Pr:Source 電源関係  ツェナーダイオード
 TL431
 LM317
PrS:Downモジュール
 EGS002_IR2110S
 SKU011012
 ACDC02
 XH_M299
 LM2596
 Mini360_MP23070N
 DROK
 WH140
PrS:UPモジュール
 MT3608
PrS:充電モジュール
 TP4056
Pr:Sensor_AD_時計等
PrS:電圧、電流
ADS1115 16bit4CH I2C A/D
 Hardware
 RaspberryPi_コマンド接続
 RaspberryPi_Python
 Arduino
 CH23V203 MounRiverStudioⅡ
INA226 I2C 直流電圧電流
 Hardware
 Arduino
 RaspberryPi_Python
WCS 電流ホール素子
 Hardware
PrS:温度、気圧、湿度、照度
BNE280 I2C 気圧,湿度,気温
 Hardware
 Arduino
 RaspberryPi_Python
BH1750 I2C 照度
 Hardware
 Arduino
 RaspberryPi_Python
DS18B20 1-Wire 温度計
 Hardware
 Arduino
 RaspberryPi_Python
PrS:時間、日時
DS3231 I2C 時計
 Hardware
 Arduino
 RaspberryPi_Python
PrS:表示器
MAR3953 320X480 3.95"
 概要と線や点を描く
 フォントを描く
SSD1306 I2C 0.96"OLED
 Hardware
 Arduino
 RaspberryPi_Python
Pr:Old Processor他
Ot:Others その他
この解説は、Skyworks (Silicon Labs) Si47XX PROGRAMMING GUIDE AN332 を基に、Google AI (Gemini) の協力を得て作成しています。

1 プロパティ 0x1A04. FM_HICUT_MULTIPATH_TRIGGER_THRESHOLD 概要

FM_HICUT_MULTIPATH_TRIGGER_THRESHOLD
ハイカットによる帯域制限が開始されるマルチパス(MULTIPATH)レベルを設定します。
次のコマンドを送信しても安全な状態になると、CTSビット(およびオプションの割り込み)がセットされます。
このプロパティは、POWERUPモードでのみ設定または読み出しが可能です。
デフォルト値は20%です。

対応デバイス: Si4704/05-D50以降、Si4706-D50、Si4730/31/34/35-D50以降、Si4732
デフォルト値: 0x0014
範囲: 0~100
注: FW2.Bではプロパティ0x1810でした。




2 プロパティ

2.1 プロパティリスト

Bit上位バイト PROPH下位バイト PROPL
1514131211109 8 7 6 5 4 3 2 1 0
Name 00000000 0MULT_TRIGGER

BitNameFunction
6:0MULT_TRIGGER

2.2 プロパティ

本プロパティは、FM受信時にマルチパス(電波の多重経路反射)による歪みが発生し始めた際、 高音域をカットして耳障りな「シャー」という歪み混じりの高周波ノイズを低減する「ハイカット(Hi-Cut)フィルター」の作動開始閾値を設定するものです。
これまでに解析した 0x1A00 などが「SNR(信号対雑音比)」をトリガーにしていたのに対し、本プロパティはマルチパス検出レベルのみを独立したトリガーとして監視します。
マルチパスレベルがこの設定値(上限値)を超えた瞬間に、ハイカット機能が作動(音の帯域制限を開始)し始めます。

2.2.1 MULT_TRIGGER (Multipath level at which hi-cut begins to band limit)

目的と概要:
マルチパスに起因するハイカットフィルターの帯域制限を開始する閾値を 0〜100(%) の範囲で設定します。
デフォルト値は 20 (0x0014、20%)です。チップ内のDSPが検出したマルチパスの割合がこの値以下であれば、マルチパスによるハイカットは一切行われません。
AN332に明記されない目的と解説:
公式プログラミングガイド [AN332] には単に「帯域制限を開始するマルチパスレベル」としかありませんが、 無線音響工学的な真の目的は、「強電界都市部(ビル街)において、RSSIやSNRの数値上は『完璧なクリア受信』に見えるにもかかわらず発生する、 高域のバリバリとしたガラスが割れるような反射歪みを先制防御すること」にあります。
以前解析したステレオブレンドのプロパティ 0x1808 (FM_BLEND_MULTIPATH_STEREO_THRESHOLD) と密接に関連していますが、 ブレンドが「音場の広がり(定位)」を絞るのに対し、本プロパティは「周波数特性(トーン)」を絞ります。
マルチパスが発生すると、19kHzのステレオパイロット信号だけでなくオーディオ高域成分の位相が激しく乱れ、聴感上非常に不快な歪みが発生します。 本レジスタは、「どれくらい電波が乱れたら高音を削って歪み成分を隠蔽するか」の判定ラインであり、 対になる 0x1A05 (FM_HICUT_MULTIPATH_END_THRESHOLD) へと繋がる「ハイカット減衰スロープ」のトリガースタート地点をマッピングする重要な役割を担っています。





3 応答パラメータ

STATUS (Status Byte)
CTS (Clear to Send):
1 になると、チップが前のコマンドの処理を完了し、次のコマンドを受け入れられる状態であることを示します。

ERR (Error):
1 の場合、直前に送ったコマンドやプロパティの引数が不正(範囲外など)であったことを示します。




4 その他(Google AI (Gemini) の見解)

4.1 コマンドの重要ステップと注意事項

ファームウェアバージョン(チップ世代)によるプロパティIDの変遷
[AN332]の注記にある通り、本プロパティは初期のファームウェア(FW2.Bなど)では 0x1810 というIDで割り当てられていました。
hobbylab.jp が検証されている Si4735-D60 や、昨今自作ラジオでよく使われる Si4732-A10 等の現行チップでは 0x1A04 に変更されています。
過去の海外の古いサンプルスケッチを移植する際は、古いIDのまま送信して無視されるバグになりやすいため、必ず確認してください。

END_THRESHOLD(0x1A05)との大小関係の厳守
必ず MULT_TRIGGER (0x1A04) < MULTIPATH_END (0x1A05) の関係を維持してください(例:TRIGGER=20%、END=60%)。
もしこの関係性を逆転させたり、同じ値(20%と20%など)に設定してしまうと、内部DSPのハイカット補間演算(END - TRIGGER)でゼロ除算やアンダーフローが発生し、 マルチパスを検知した瞬間にハイカットがフリーズして「音が永遠に籠りっぱなしになる」等の重篤な音声バグを引き起こします。

4.2 もう少し踏み込んだ応用展開

「音質パタつき」を防ぐステレオブレンド(0x1808)との協調時差設計
マルチパスが激しい場所でハイカットとステレオモノラルブレンドが同時に全く同じ閾値で発動すると、音場が縮むと同時に音も急激に籠るため、 リスナーは「ラジオが壊れたか」のような強い違和感を覚えます。
これを防ぐため、あえて 0x1808(ステレオブレンド開始)を 15% 程度と少し早めに作動させ、本プロパティ 0x1A04(ハイカット開始)は 25% 程度と少し遅めにずらして設定します。
これにより、マルチパス突入時は「まず音が中央に集まって定位を安定させ、さらに酷くなったら高音がマイルドに籠る」という、 高級カーオーディオ特有の二段階ステップ防衛(クロスフェード・マネジメント)を擬似的に演出できます。

4.3 デバッグ時のチェックリスト

パワーアップ受信モードの確認:
チップが POWER_UP コマンドを受け取り、FM受信モード(FMRX)として完全に起動している状態でコマンドを投げているか。

設定値の上限ガード:
100(0x64)を超える不正なパーセンテージ値をマイコンコード側で弾くガード処理(バリデーション)が入っているか。

連続送信時のCTS確認:
通常、このプロパティの直後に対になる 0x1A05(END閾値)を連続送信するため、1発目の送信後に確実に CTS==1 になるのをポーリングで待ってから 2発目のI2Cパケットを送信しているか。

実機テストでの効果ベリファイ:
値を 100(マルチパスによるハイカットを実質無効化)にした時と、5(超敏感にハイカット発動)にした時で、アンテナの向きをわざと変えてマルチパス歪みを発生させた際の「高音の削られ方」に明確な違いが出るか。

4.4 まとめ

0x1A04 (FM_HICUT_MULTIPATH_TRIGGER_THRESHOLD) は、RSSIやSNRだけでは捉えきれない「多重反射(都市型マルチパス)」という悪魔をピンポイントで迎え撃つための、 DSPラジオの頭脳を象徴するプロパティです。
hobbylab.jp 組み込みの試作基板において、以前のSNR系ハイカット(0x1A00)という縦糸に、このマルチパス系ハイカット(0x1A04)という横糸が合わさることで、 どのような受信環境でも破綻しない完璧な布陣が完成します。
ぜひデフォルト値の20%から、じっくりとカットオフの効き始めをチューニングしてみてください!





































更新日 2026/07/11 11:56  管理者 平林 剛Hirabayashi Takeshi